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MyDataに基づく人工知能開発運用プラットフォームの構築-地域AI基盤-

PLR(Personal Life Repository)は、個人が自らの情報を個人単位で収集蓄積し、それを自分自身の承認・責任のもとで、公的なビッグデータの一部として公開することを可能とするために開発された分散型個人情報ストレージ向けのスマートフォンアプリである。基本的には無償で提供され、個人はこのアプリを自分のスマートフォンにダウンロードし、個人が契約した任意のパブリッククラウドと連携させることで、個人のパーソナルデータを暗号化した形でパブリッククラウドに蓄積でき、それらをPCやスマホで自由に参照したり、フレンド登録した他人に公開したりすることができる。また企業や公的機関、病院が収集・蓄積した本人に関するデータ(購買データ、カルテデータ、住民情報など)を受け取り管理する受け皿として活用することができる。

「My Dataに基づく人工知能開発運用プラットフォームの構築」の研究目的は、このPLRをさまざまな個人向けサービスと連携させることによってPLR利用者を増やし、それによってPLRを用いた個人向けサービスの開発および事業としての運用を容易にすることにある。そのため、一連の研究全体では複数のサブテーマ(医療基盤、看護基盤、地域AI基盤などのサービス開発)が設定され、その成果を個別のサービスとして事業化するとともに、それらを、PLRを介して相互に有機的に連携し、ネットワーク効果およびPLRデータの多様化を通じて、PLRと各サービスの価値を高め普及を促進することを試みる。技術的には、PLRを、設定するオントロジーに応じて多様なユースケースを統合的にサポート可能なように設計・開発することで、多種類のパーソナルデータを統合して取り扱えるようにし、多様なサービスの間の連携を実現可能にするものである。

未来工学研究所が担当したサブテーマ「地域AI基盤」では、PLRが全国民に普及し活用される状況を具現化するための基礎的な調査研究を行った。具体的には、PLRの地域における普及のためには、どのような一次的サービスの提供が必要か、そのような一次的サービスに関する社会的な受容性はどのようにすれば構築可能か、その一次的サービスによってどの程度の普及を見込めるか、その状況に応じて、二次的なサービスの開発を誘起できるか、など普及の条件を、地域に根差した形で調査分析し、サービス相互連携のプラットフォームを準備することを目的として実施した。
(新エネルギー・産業技術総合開発機構委託)

MyDataに基づく人工知能開発運用プラットフォームの構築-地域AI基盤-

2020年04月01日 更新
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