本調査は、東京都福祉保健局の委託を受け実施した。過去十年間の東京都の食中毒発生状況において、カンピロバクターによる食中毒件数は、他の細菌による食中毒発生件数が低減傾向にあるにもかかわらず増加傾向にある。カンピロバクターの食中毒発生件数が増加傾向にある原因としては、消費者が鶏肉や牛肉などの食肉を生や半生で食べることや、外食産業内の食肉の生食による食中毒発生に関するリスク意識の不足などがあげられる。本調査は、「過去十年間のカンピロバクターによる食中毒発生件数の増加は食肉の生食に起因する」という仮説に立ち、消費者と事業者の食肉の生食に対する意識とその行動の実態について、アンケート調査ならびにグループインタビュー調査といった手法を用いて探ることを目的としている。