現行の科学技術基本計画においては、人材の養成・確保が最重要課題となっている。特に科学技術立国を実現するためには、高度な知識、高い専門性を備えた高資質の人材を多数養成・確保することが重要であり、この点では大学院博士課程の果たすべき役割は大きい。大学院博士課程においては、各大学でマネージメントの改善や教育内容・方法の改善に関する創意工夫を凝らした多様な取り組みが行われているが、国の施策としても教育機能の一層の充実を目指して、大学院教育改革の拡充と進化を図っていく必要がある。
本調査は、このような視点に基づいて、大学院博士課程(後期)の関与者-博士課程(後期)学生、博士課程(後期)修了者、博士課程(後期)担当教員-に対してアンケート調査を実施することにより、博士課程(後期)の実態と関与者の意識などを明らかにし、今後の大学改革の推進と教育の質の向上を図るための基礎資料に資することを目的とする。