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少子化要因としての世代間不均衡、それが招く「結婚したくてもできない」問題

近年、少子化問題が社会問題として大きく取り上げられています。少子化問題は実は1990年に終焉し、現在直面しているのは非婚化であることは、このサイトの別記事で述べましたが、非婚化をもう少し詳しくみてみると、実は、「結婚したくても結婚できない問題」であることがみえてきます。

その理由を示唆する一つのデータとして、雇用形態別の有配偶率の傾向のグラフを下に示しました。このグラフによると、正規雇用の男性は40-44歳で74%の有配偶率となっているのに対して、同年代でも非正規雇用者の場合、有配偶率は34%となっており、倍以上の開きがあることがわかります。

少子化要因としての世代間不平等、それがさらに世代間不平等を拡大するという負のスパイラル

若年層の非正規雇用者の割合は、次のグラフに示されるとおり、1995年以降増加の一途をたどっており、2011年には過半数を超えていますから、それが非婚率を高める大きな要因となっていることは間違いないでしょう。

少子化要因としての世代間不平等、それがさらに世代間不平等を拡大するという負のスパイラル

実際に、正規雇用者と非正規雇用者の未婚理由を比較してみると、30代未婚男性の正社員では「適当な相手がみつからないから」が最も多い未婚理由で50%であるのに対して、同年代未婚男性の非正規雇用者では「収入が十分ではなく結婚後に生活していくためのお金に不安があるから」が50%で最も多い未婚理由と、正社員の19%に対して2.5倍以上の開きがあります。また、「結婚するためのお金が足りない」という未婚理由についても、正規雇用者12%に対して、非正規雇用者は26%で倍以上の開きがあります。

少子化要因としての世代間不平等、それがさらに世代間不平等を拡大するという負のスパイラル

内閣府が2010年に実施した『少子化社会に関する国際意識調査』によると、「結婚生活を始めるために必要な二人の年収」は、日本は平均で32万円と調査対象国の中で一番低く(他は、フランス:33万円、アメリカ:46万円、スウェーデン:34万円、韓国:35万円)、国際的にみても結婚のハードルが低くなっていることがわかります。
2008年にOECDは、「日本では50歳代の高賃金が若者の雇用を圧迫しており、日本はもはや平等な国ではなく世代間格差が拡大している」と指摘しています。中高年世代に雇用を奪われ、非正規雇用や低賃金雇用に追いやられた若者世代はが社会保障負担を多く担うことになり、収入と負担の双方で世代間不均衡を招きます。「少子化問題」は今日では非婚化の問題であるわけですが、非婚化の背景にはこのような世代間不均衡があります。それがさらに非婚化(ひいては少子化)を進行させるという負のスパイラルに日本は陥ってしまっているといえるでしょう。
就職氷河期以降の世代の今日の非婚化が、経済的要因を中心としたものであるなら、それは社会が支援すべき問題ではないでしょうか。私達は、このように、子供をもちたいと願う、しかしその願いが経済的理由でかなえることができない世代を支援し、少子化と世代間不均衡の負のスパイラルから脱却するための「未来世代基金」の設立を社会に提案しています。
未来世代基金の詳細は
こちら

2016年10月24日 設置

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