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少子化問題は1990年に終焉、今日の問題は「子供がほしい願いがかなえられない」問題

近年、少子化問題が社会問題として大きく取り上げられています。また、それに関連付けて、「セックスしない若者」「恋愛しない若者」などと、少子化の原因が若者の資質にあるかのような議論がみられます。

しかし、出生率のデータをよく検証してみると、グラフからわかるように、「結婚しても子供をつくらない」傾向は、実は1990年に底をうち、それ以降は結婚した場合の子供の数(有配偶出生率)は増加傾向にあります。そして、2010年には、団塊世代が出産適齢期であった第二次ベビーブームの1980年の有配偶出生率を取り戻しています。1990年代以降の少子化は、少子化というよりは非婚化と考えた方がよいでしょう。

少子化問題解決のカギは中高年の世代意識改革

 

内閣府が2010年に実施した希望の子供数の国際調査によると(下のグラフ)、現在、希望の子供数は他の先進諸国と比べて少ないわけではありません。結婚・未婚を含めた男女20-49歳の希望の子供数は2.27で、アメリカの2.26よりもわずかながら多く、未婚者・同棲経験なしの男女20-49歳では2.01人で、アメリカの1.87人よりもかなり多くなっています。いずれの場合も、フランス、スウェーデンよりは少なくなっていますが、その差はいずれも0.2人以下です。

少子化問題は1990年に終焉、今日の問題は「子供がほしい願いがかなえられない」問題

ところが一方、実際の出生率をみると日本は1.42人で、アメリカの1.86人、フランスの1.98人、スウェーデンの1.88人と比べて大きな差があります。今日の日本の「少子化問題」は実は、子供をもちたいという願望の低下ではなく、結婚して子供がほしいという願望がかなえられない願望と現実のギャップ問題であるといえるでしょう。

私たちは、このように子供をもちたいと願うお母さん達を支援するための「未来世代基金」の設立を提唱しています。未来世代基金の詳細はこちら

2016年10月25日 設置

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