本調査研究は、財団法人サントリー文化財団の助成(代表:慶応義塾大学商学部 助教授)を受けて平成17 年度から18 年度にかけて実施する。
今日、食品安全問題に付随する「風評被害」が大きな社会的問題になっている。風評被害とは、問題が発生していない事業者に被害が及ぶ場合、問題の当事者に問題終結後にも影響が及ぶ場合のことである。一度「汚名をきせられた産地」や「問題となった食品」のイメージを拭い去るのは容易なことではない。このように風評被害の検討の重要性が指摘されているにもかかわらず、その具体的な風評被害の実態や、その影響の範囲については未だ明らかにされていない。
本調査研究は、「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」発表に伴う風評被害の問題をケーススタディとして、ステークホルダー(利害関係者)間の利害関係を社会心理学、社会システム論の観点から分析を行い、そのメカニズムを解明する。