20 世紀は、科学技術の発達により、人類の福祉と生活の利便性が向上した反面、負の側面として、環境劣化、社会の脆弱性の増大等の深刻な問題も生じた。また、近年、我が国の科学技術力の信頼を揺るがすような重大事故等が重なり、科学技術プロジェ
クトの進め方や社会との関係、危機管理のあり方などについて様々な問題提起がなされてきている。こうした点を踏まえ、「安心・安全で質の高い生活のできる国」を目指すため、社会的効果を目指す技術、即ち、国民の安全(国民の健康・医療や生活の質の向上)、国の安全保障、国土保全、災害防止、社会治安、教育、人類の持続的発展・フロンティアの拡張等に係る技術や国などが行う計画立案や推進に必要な技術を「公共技術」としてとらえ、国内及び海外(米国)における取組みの現状の調査結果、有識者に対するインタビュー調査結果等を受け、公共技術の理念・特徴に関する議論を深めるとともに、今後取組むべき研究領域や研究課題及び当該研究課題を担う優秀な研究者に関する情報を探索したものである。