政府では、GISに関する行動計画として、平成14年2月に「GISアクションプログラム 2002-2005」を策定し、GISを利用する基盤環境を概成すること、行政各分野におけるGISの有効活用による効率化と質の高い行政サービスの提供を目標として推進しているところである。この行動計画により、わが国における空間情報基盤の整備についてはある程度の達成に目処がつき、今後は空間情報に時間の要素を加えた時空間情報を活用して行政や民間による多様なサービスを展開していく段階を迎えることになる。すでに民間では位置情報をセキュリティやマーケティングなどに活用するサービスが始まっているが、これらのサービスに時間軸を加えた時空間情報はさらに質の高いものとなる。このような時空間情報の活用について行政や民間が認識することは、さらなる高質なサービスの提供につながるものと期待される。そこで本調査では、今後の時空間情報利用の利用形態について類型化し、その課題を検討するとともに、豊かで安全な国民生活を実現するためのサービスのビジョンを描き、それを実現するための方策を検討することを目的とした。