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企業の研究開発投資性向に関する調査

これまで、我が国の研究開発投資は、総額で見てもGDP比率で見ても額としては国際的に高いと言われながら、事業収益を生み出す効率が低く、産業競争力の強化や経済成長への寄与が少ないとの指摘を受けてきた。また、過去の経済産業省の調査によれば、近年、多くの企業で短期的な研究開発投資が増加しており、研究開発費の大部分は既存技術改良型の研究に充当されるようになっている。さらに、我が国企業の研究開発姿勢に、行き過ぎた自前主義があるとの指摘もある。

我が国企業の研究開発投資が企業業績の伸びにつながっていない原因として、企業の研究開発投資が将来の成長の種となる長期的研究開発に充てられず、技術開発の成果が既存製品の改良にしかつながっていないことなど研究開発のポートフォリオの問題や、技術シーズを事業化して投資回収する部分の経営力や製品戦略の差などが考えられるが、こうした要因分析は未だなされていない。国は企業の短期的研究開発を重視する企業の傾向を補完するための研究開発あるいは支援策を開始しているが、まだ緒についたばかりである。また、技術が高度化、複雑化する中で、異なる組織との連携や異なる知恵の吸収、いわゆるオープン・イノベーションが求められているが、日本企業の意識として、あるいは社内体制などを原因として、外部との連携、外部への知識の発信を通じたさらなるイノベーションにつながっていない。状況認識を深めるためのオープン・イノベーション協議会も発足したところであるが、これもまた議論は始まったばかりである。

このため、過去の内外の研究成果も振り返りつつ、研究開発から生産、販売をグローバルに行う企業活動を把握し、企業の研究開発投資行動の現状と経済効果の因果関係等を探り、また、イノベーション創出に係る企業内の意思決定プロセス(自前主義・イノベーション・マネジメント)等の状況も分析した上で、研究開発を企業の収益や日本経済の成長に寄与するものとするための政策的な支援を行う一助としていくことを目的とし、調査を実施した。 

(経済産業省委託)

企業の研究開発投資性向に関する調査

 

2016年04月01日 更新
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