我が国のものづくり中小企業数は約45万社存在し、このうち5~10%にあたる2万5千~5万社が研究開発を行うポテンシャルを有していると言われている。一方、「中小企業白書2013」 によれば、2012 年度の中小製造業の設備投資は、業績見通しの悪化により前年度と比較して減少しており、また中小企業の売上高営業利益率は大企業に比べて低い水準にある。
こうした状況を踏まえれば、中小企業は売上高営業利益率を向上させるために高付加価値製品の生産を増加させることが重要であり、そのためには、研究開発をより一層促進していくことが必要である。
中小企業においては企業規模の問題もあり、多大な額の研究開発が困難な場合が多く、産学連携が大企業にも増して重要である企業も少なからず存在すると考えられる。その一方で、大企業と比べると大学等との接点はさほど多くない企業が多いと考えられ、パートナー探しなどで壁に当たることも多いと想定され、入口段階でつまづく企業も少なからず存在していることが考えられる。
本調査では、中小企業がどのような場をどのように活用しているのか、あるいは、自ら研究開発部門を持たない企業が、どのように製品開発等を行うのか、また、産学連携が1つの中小企業の研究開発促進の手段であるとすれば、大学が有するべき役割とは何か、さらには研究開発を実用化につなげるための課題について、研究開発を実施している中小企業や大学の産学連携本部等に対するアンケート・ヒアリング調査、及び文献との比較等を通じて明らかにすることを目的とし、調査を実施した。 (経済産業省委託)