有識者の見解
Posted: 2019年4月10日(水) 14:55
■有識者の意見
10名余りの有識者や当事者(組織・機関)に、上記の文面とともに以下のアンケートを送付し、4名から回答を得ました。
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
① 現在の政治体制のままで良い。自治体の首長のリコール請求や憲法改正の国民投票など国民が直接投票する機会が既にあり、
それで十分である。
② もっと直接民主制の手法を取り入れるべきである。原発問題や死刑制度などの大きな問題や、夫婦別姓問題などの価値観にかかわる問題は
直接投票で決めるべきだ。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
① 選挙で国民の意思を反映できるので今のままで十分である。
② インターネットなどを駆使して国民が政策提案するなど、もっと政治に国民が関与できるようにすべきだ。
その際には、正確な判断が下せるように、十分情報を与えられるべきである。
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
a) 自治体の予算の一部を市民が決めるようにすべきである。
b) 自治体だけでなく、国の予算の一部も国民が決めるようにすべきである。
④ その他の意見(具体的に書いてください)
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
① 今のままの公民教育で十分である。政治的な内容や現在論争になっているトピックを授業に取り入れると、
教師の一方的な政治的意見を子供たちに押しつけることになるので反対。現在の公民教育のように無難なテーマについて話し合うのが良い。
② 子供たちに政治への当事者意識をもっと持たせるために、現在論争になっているトピックをもっと授業で扱い、ディベートさせるべきである。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
◆有識者からの回答1(到着順)
日本教職員組合 書記長 清水秀行
1. 未来工学研究所プロジェクト担当者としては、我が国でも市民が政策に関与する機会を増やすべきだと考えています。いかがでしょうか?
その通りだと考えています。教育の目的は、教育基本法第1条に規定されている通り、
人格の完成と平和で民主的な国家や社会の形成者を育むことです。つまり、社会の現状に対して、無条件に適応するだけではなく、
国家や社会をつくりあげていく主権者を育むことです。
こういった観点から、日本でも市民が政策に関与する機会を増やすべき、というお考えには大いに賛同します。
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
日本教職員組合として、この質問に対する方針は明確になっていません。
しかし、政策立案において政府は社会的対話を重視すべきだと考えます。
欧米など諸外国では、教職員組合が学校現場の教職員の代表として政策立案に大きく関わっていますが、
日本の現状はそうなっていません。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
⑤ その他の意見(具体的に書いてください)
質問1にコメントしたとおりです。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
文部科学省から「高等教育等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」という通知が出されました。
ご指摘の通り、政治的中立という言葉で学校現場では過度の自主規制ともいうべきことが起こっています。そもそも教員は専門職であり、
目の前の子どもにあった教育を展開してくことが求められています。その意味では、子どもの興味、関心や欲求にもとづき、②の内容も含めて、
トピックを制限することなく「主権者」教育を実践するべきと考えます。しかし、前述の通知や教育行政の指導等の影響もあり、
身近な地域の問題(ごみ処理や葬祭場の建設など)をトピックとしてディベートなどを中心にした授業が展開されている実態が多く、
真の意味での「主権者」教育は十分にとりくまれていない状況もあります。
公民教育だけでなく、日本教職員組合がめざす「主権者」教育は、高校のみならず、小中学校からの積み重ねが重要だと考えています。
もちろん、価値観を押し付けないように、考え合う形が大事でしょう。すべての学校で、
教科学習や自治的諸活動(学級活動、児童会・生徒会活動、学校行事、地域活動など)を通して、
主権者教育を展開してくことをめざしています。
◆有識者からの回答2(到着順)
原田謙介 NPO法人 YouthCreate 代表
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
市民が政策の決定に直接関与することを直接民主制の手法とするのであればそれは現状よりも増えたほうが良いが
②の選択肢のような大きな問題・価値観の決定を市民の意思にゆだねるべきではない。住民の意思を参考としてとるため、
あるいは市民にそのテーマについて考える事を促すために住民投票は必要だと考える。
しかし、最終決定は政治家が多面的な判断で、場合によっては住民の意思に反した決定をすることも必要である。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
a) 自治体の予算の一部を市民が決めるようにすべきである。
②と③a)に同意です。
加えて少しコメントを書かせていただきます。
政策提案と予算がセットになる国民と政治の双方向のやり取りの機会の増加が求められる。
なんの制約もない政策の提案を市民に求めることはできない。
そのためには市民のニーズに関してインターネットを含めた調査で色々と拾いつつ、
同時にそのニーズを満たすためにはどれぐらいの予算がかかるのかを政治側が提示入ていくことも必要だと思います。
また、予算は持続的な事業に関して市民の声の繁栄を考えるべきであり、
一過性の「町興しイベント」のようなものに予算を反映させるべきではない。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
③を選択
安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックを扱うべきだと思うがそれだけでは不十分である。
これらはいわゆる「大きな遠いテーマ」と自分は解釈する国民全体に近い人に関わるもの。
重要なテーマではあるが、どこかしら遠いテーマであることも否めない。現実の社会や地域で議論になっている、
「小さな近いテーマ」についてもより扱うべきである。例えば、図書館などの公共施設の運営。自転車道の設置。
街中への新たな保育園の新設について。などなどが考えられる。
<その他、全体への感想>
日本では参政権として、「選挙」という点があまりにもクローズアップされすぎている。
あるいは、近年であれば「デモ・集会」という手法も認知度を増してきた。当然これらの方法は重要なものである。
しかしながら、これらの手法の中に「対話」「双方向性」は存在しない。
紹介いただいた事例のように、双方向性を持った政治と市民の関係がより増えていき、
選挙共に重要な政治参加の方法へと広がっていくことを望みます。
◆有識者からの回答3(到着順)
林 克行 日本評論社 元代表取締役社長
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
② もっと直接民主制の手法を取り入れるべきである。原発問題や死刑制度などの大きな問題や、
夫婦別姓問題などの価値観にかかわる問題は直接投票で決めるべきだ。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
② インターネットなどを駆使して国民が政策提案するなど、もっと政治に国民が関与できるようにすべきだ。
その際には、正確な判断が下せるように、十分情報を与えられるべきである。
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
b) 自治体だけでなく、国の予算の一部も国民が決めるようにすべきである。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
② 子供たちに政治への当事者意識をもっと持たせるために、現在論争になっているトピックをもっと授業で扱い、
ディベートさせるべきである。(授業方法を工夫すれば、混乱は回避できる)
文豪トーマス・マンは、亡命先のアメリカから「政治に無関心な国民には、粗末な政治しか与えられない」とドイツ国民に警告しましたが、
これは、日本国民も念頭にあったのではないでしょうか。
日本国民の政治的成熟のための訓練の場としても、
多少の混乱はあろうとも、直接民主主義的諸制度の導入は是非実現すべきと思います。
その道を切り開くために、貴研究が発展することを祈念します。
◆有識者からの回答4(到着順)
松井真理子 四日市大学 教授、NPO法人市民社会研究所 代表
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
代表民主制による意思決定を前提とするなら、もっと直接民主制の手法を取り入れるべきである。
それがより多様な市民の意見を表出する機会となり、代表者の判断材料を豊かにするからである。
代表民主制に代わる直接民主制であるなら、主権者としての参加機会の確保の観点から、次の条件を満たすことを前提に、
慎重に導入の是非を判断すべきである。
原発問題、死刑制度など大きな問題について、事前に十分な判断材料と適切な学習機会が与えられること。
なお、あらかじめ議決された、比較的小規模な範囲における予算等の直接執行等は、あくまで代表民主制の枠内にあり、積極的に進めてよい。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
a) 自治体の予算の一部を市民が決めるようにすべきである。
b) 自治体だけでなく、国の予算の一部も国民が決めるようにすべきである。
④ その他の意見(具体的に書いてください)
もっと国民が政治に関与できるようになるべきだと思うので②に賛成ですが、インターネットを使うというより、
国民/住民が国/自治体に政策提言できるための、公式な場を設けるべきである。
現在は、国/自治体と強い関係を持つ一部の団体等は、非公式に意見を表明する機会に恵まれているが、
そうでない個人・団体が参加できる場がない。行政だけでなく、政党・議員との学習会や意見交換の場も重要である。
また、主権者として最も重要な「選挙」への参加が、極めて制限されていることは重大な問題である。
現在の公職選挙法のあり方を抜本的に見直し、市民が選挙活動にをもっと自由に参加できるようにするべきだと思う。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
② 子供たちに政治への当事者意識をもっと持たせるために、現在論争になっているトピックをもっと授業で扱い、ディベートさせるべきである。
私がイギリスに滞在していた頃、イギリスの高校では、現首相の政策の妥当性、(当時問題になっていた)王室制の存続の要否など、
きわめて政治的なテーマでディベートの全国大会が行われていると、英国人の高校教師から聞いた。
18歳選挙権を導入する一方で、選挙は政治の選択の場であることを曖昧にするのは矛盾している。
■有識者の見解に対する意見
有識者の見解に対する皆様のご意見はいかがでしょうか。
10名余りの有識者や当事者(組織・機関)に、上記の文面とともに以下のアンケートを送付し、4名から回答を得ました。
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
① 現在の政治体制のままで良い。自治体の首長のリコール請求や憲法改正の国民投票など国民が直接投票する機会が既にあり、
それで十分である。
② もっと直接民主制の手法を取り入れるべきである。原発問題や死刑制度などの大きな問題や、夫婦別姓問題などの価値観にかかわる問題は
直接投票で決めるべきだ。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
① 選挙で国民の意思を反映できるので今のままで十分である。
② インターネットなどを駆使して国民が政策提案するなど、もっと政治に国民が関与できるようにすべきだ。
その際には、正確な判断が下せるように、十分情報を与えられるべきである。
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
a) 自治体の予算の一部を市民が決めるようにすべきである。
b) 自治体だけでなく、国の予算の一部も国民が決めるようにすべきである。
④ その他の意見(具体的に書いてください)
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
① 今のままの公民教育で十分である。政治的な内容や現在論争になっているトピックを授業に取り入れると、
教師の一方的な政治的意見を子供たちに押しつけることになるので反対。現在の公民教育のように無難なテーマについて話し合うのが良い。
② 子供たちに政治への当事者意識をもっと持たせるために、現在論争になっているトピックをもっと授業で扱い、ディベートさせるべきである。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
◆有識者からの回答1(到着順)
日本教職員組合 書記長 清水秀行
1. 未来工学研究所プロジェクト担当者としては、我が国でも市民が政策に関与する機会を増やすべきだと考えています。いかがでしょうか?
その通りだと考えています。教育の目的は、教育基本法第1条に規定されている通り、
人格の完成と平和で民主的な国家や社会の形成者を育むことです。つまり、社会の現状に対して、無条件に適応するだけではなく、
国家や社会をつくりあげていく主権者を育むことです。
こういった観点から、日本でも市民が政策に関与する機会を増やすべき、というお考えには大いに賛同します。
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
日本教職員組合として、この質問に対する方針は明確になっていません。
しかし、政策立案において政府は社会的対話を重視すべきだと考えます。
欧米など諸外国では、教職員組合が学校現場の教職員の代表として政策立案に大きく関わっていますが、
日本の現状はそうなっていません。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
⑤ その他の意見(具体的に書いてください)
質問1にコメントしたとおりです。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
文部科学省から「高等教育等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」という通知が出されました。
ご指摘の通り、政治的中立という言葉で学校現場では過度の自主規制ともいうべきことが起こっています。そもそも教員は専門職であり、
目の前の子どもにあった教育を展開してくことが求められています。その意味では、子どもの興味、関心や欲求にもとづき、②の内容も含めて、
トピックを制限することなく「主権者」教育を実践するべきと考えます。しかし、前述の通知や教育行政の指導等の影響もあり、
身近な地域の問題(ごみ処理や葬祭場の建設など)をトピックとしてディベートなどを中心にした授業が展開されている実態が多く、
真の意味での「主権者」教育は十分にとりくまれていない状況もあります。
公民教育だけでなく、日本教職員組合がめざす「主権者」教育は、高校のみならず、小中学校からの積み重ねが重要だと考えています。
もちろん、価値観を押し付けないように、考え合う形が大事でしょう。すべての学校で、
教科学習や自治的諸活動(学級活動、児童会・生徒会活動、学校行事、地域活動など)を通して、
主権者教育を展開してくことをめざしています。
◆有識者からの回答2(到着順)
原田謙介 NPO法人 YouthCreate 代表
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
市民が政策の決定に直接関与することを直接民主制の手法とするのであればそれは現状よりも増えたほうが良いが
②の選択肢のような大きな問題・価値観の決定を市民の意思にゆだねるべきではない。住民の意思を参考としてとるため、
あるいは市民にそのテーマについて考える事を促すために住民投票は必要だと考える。
しかし、最終決定は政治家が多面的な判断で、場合によっては住民の意思に反した決定をすることも必要である。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
a) 自治体の予算の一部を市民が決めるようにすべきである。
②と③a)に同意です。
加えて少しコメントを書かせていただきます。
政策提案と予算がセットになる国民と政治の双方向のやり取りの機会の増加が求められる。
なんの制約もない政策の提案を市民に求めることはできない。
そのためには市民のニーズに関してインターネットを含めた調査で色々と拾いつつ、
同時にそのニーズを満たすためにはどれぐらいの予算がかかるのかを政治側が提示入ていくことも必要だと思います。
また、予算は持続的な事業に関して市民の声の繁栄を考えるべきであり、
一過性の「町興しイベント」のようなものに予算を反映させるべきではない。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
③を選択
安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックを扱うべきだと思うがそれだけでは不十分である。
これらはいわゆる「大きな遠いテーマ」と自分は解釈する国民全体に近い人に関わるもの。
重要なテーマではあるが、どこかしら遠いテーマであることも否めない。現実の社会や地域で議論になっている、
「小さな近いテーマ」についてもより扱うべきである。例えば、図書館などの公共施設の運営。自転車道の設置。
街中への新たな保育園の新設について。などなどが考えられる。
<その他、全体への感想>
日本では参政権として、「選挙」という点があまりにもクローズアップされすぎている。
あるいは、近年であれば「デモ・集会」という手法も認知度を増してきた。当然これらの方法は重要なものである。
しかしながら、これらの手法の中に「対話」「双方向性」は存在しない。
紹介いただいた事例のように、双方向性を持った政治と市民の関係がより増えていき、
選挙共に重要な政治参加の方法へと広がっていくことを望みます。
◆有識者からの回答3(到着順)
林 克行 日本評論社 元代表取締役社長
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
② もっと直接民主制の手法を取り入れるべきである。原発問題や死刑制度などの大きな問題や、
夫婦別姓問題などの価値観にかかわる問題は直接投票で決めるべきだ。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
② インターネットなどを駆使して国民が政策提案するなど、もっと政治に国民が関与できるようにすべきだ。
その際には、正確な判断が下せるように、十分情報を与えられるべきである。
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
b) 自治体だけでなく、国の予算の一部も国民が決めるようにすべきである。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
② 子供たちに政治への当事者意識をもっと持たせるために、現在論争になっているトピックをもっと授業で扱い、
ディベートさせるべきである。(授業方法を工夫すれば、混乱は回避できる)
文豪トーマス・マンは、亡命先のアメリカから「政治に無関心な国民には、粗末な政治しか与えられない」とドイツ国民に警告しましたが、
これは、日本国民も念頭にあったのではないでしょうか。
日本国民の政治的成熟のための訓練の場としても、
多少の混乱はあろうとも、直接民主主義的諸制度の導入は是非実現すべきと思います。
その道を切り開くために、貴研究が発展することを祈念します。
◆有識者からの回答4(到着順)
松井真理子 四日市大学 教授、NPO法人市民社会研究所 代表
質問1 現在の政治体制に直接民主制の手法をもっと取り入れるべきでしょうか? 次の回答から一つを選んでください。
③ その他の意見(具体的に書いてください)
代表民主制による意思決定を前提とするなら、もっと直接民主制の手法を取り入れるべきである。
それがより多様な市民の意見を表出する機会となり、代表者の判断材料を豊かにするからである。
代表民主制に代わる直接民主制であるなら、主権者としての参加機会の確保の観点から、次の条件を満たすことを前提に、
慎重に導入の是非を判断すべきである。
原発問題、死刑制度など大きな問題について、事前に十分な判断材料と適切な学習機会が与えられること。
なお、あらかじめ議決された、比較的小規模な範囲における予算等の直接執行等は、あくまで代表民主制の枠内にあり、積極的に進めてよい。
質問2 政治に国民がもっと関与できるようにすべきだと思いますか?
(②と③は重複回答も可能です)
③ 一部の予算配分も国民ができるようにすべきである。
a) 自治体の予算の一部を市民が決めるようにすべきである。
b) 自治体だけでなく、国の予算の一部も国民が決めるようにすべきである。
④ その他の意見(具体的に書いてください)
もっと国民が政治に関与できるようになるべきだと思うので②に賛成ですが、インターネットを使うというより、
国民/住民が国/自治体に政策提言できるための、公式な場を設けるべきである。
現在は、国/自治体と強い関係を持つ一部の団体等は、非公式に意見を表明する機会に恵まれているが、
そうでない個人・団体が参加できる場がない。行政だけでなく、政党・議員との学習会や意見交換の場も重要である。
また、主権者として最も重要な「選挙」への参加が、極めて制限されていることは重大な問題である。
現在の公職選挙法のあり方を抜本的に見直し、市民が選挙活動にをもっと自由に参加できるようにするべきだと思う。
質問3 中学校の公民教育についてどう思いますか? 安保法制や原発問題など現在論争になっているトピックをもっと扱うべきだと思いますか? 次の回答から一つ選んでください。
② 子供たちに政治への当事者意識をもっと持たせるために、現在論争になっているトピックをもっと授業で扱い、ディベートさせるべきである。
私がイギリスに滞在していた頃、イギリスの高校では、現首相の政策の妥当性、(当時問題になっていた)王室制の存続の要否など、
きわめて政治的なテーマでディベートの全国大会が行われていると、英国人の高校教師から聞いた。
18歳選挙権を導入する一方で、選挙は政治の選択の場であることを曖昧にするのは矛盾している。
■有識者の見解に対する意見
有識者の見解に対する皆様のご意見はいかがでしょうか。